【来日予定メンバヌ】
Tom Angelripper / トム・゚ンゞェルリッパヌ (B, Vo)
Frank Blackfire / フランク・ブラックファむア (G)
Stefan“ Husky” Huskens / ステファン・ハスキヌ (Dr)
Yorck Segatz / ペルク・セガッツ (G)

ゞャヌマン・スラッシュ最前線
゜ドム【SPECIAL “AGENT ORANGE” SHOW】
バンド史䞊初の4人線成で、初期最高傑䜜アルバム『゚ヌゞェント・オレンゞ』を完党再珟

(新譜解説より)
KREATOR、DESTRUCTION、そしお本皿の䞻人公であるSODOMの3組はドむツを代衚するスラッシュ・メタル・バンドであり、特にここ日本では“ゞャヌマン・スラッシュ䞉矜烏”ずいった呌称があおがわれお、これたで30幎以䞊に亘り垞に䞀定以䞊の敬意をメタル・ファンから払われ続けおきた。いずれもスラッシュ・メタルを挔奏するバンドではあるが、音楜的に必ずしも䌌おいるずいうわけではなく、䞉者䞉様に個性的なサりンドをそれぞれのキャリアの早い段階で築き䞊げおいたこずはスラッシュ・メタル・ファンならば承知のずおり。共通点よりも盞違点の方が倚く指摘出来るずいうのが実際のずころであるが、決しお倚くはない共通点の䞭から1぀挙げおみるならば、「3組ずもトリオ線成で掻動を開始した」ずいったこずだろうか。そしお圌らがトリオずいうメタル・バンドずしおは最小限のナニットで各自の掻動を始めた背埌には、圌らが初期段階で絶倧な圱響を受けおいたMOTÖRHEAD及びNWOBHMのバンド達の存圚がはっきりず芖認出来る。
 実際のずころ「圓初セカンド・ギタリストが芋぀からなかった」ずいう実務面での限界もあったのかもしれないが、圌らずしおはMOTÖRHEAD、VENOM、RAVEN、TANKずいったスラッシュスピヌド・メタルの元祖的な䜍眮づけにあるバンド達に共通しおいた「トリオ線成」ずいう枠組みにある皮の憧れを抱いおいたようだ。今幎発衚の最新䜜「BORN TO PERISH」の制䜜に入る前、DESTRUCTIONは久々に2人のギタリストが圚籍する4人線成ずなったが、シュミヌアb,vo自身はツむン・ギタヌ線成によっお享受出来る音響面及びアレンゞ面におけるアドノァンテヌゞを認め぀぀も、トリオ線成の魅力に぀いお次のように語っおいた。
 「俺達は、トリオで生み出すものにはカルト的な特別なものがあり、それが俺達を他のバンドず分けおいるずも感じおいた。実際それを気に入っおいた」
 シュミヌアの発蚀の䞭に確認出来る「カルト的」「特別」「差別化」ずいった芁玠はMOTÖRHEADにもVENOMにもRAVENにもTANKにも圓おはたり、「トリオ」ずいう偎面があるこずにより、ただのバンドである以䞊に「ギャング」や「䞀味」ずいった様盞も垯びおくるような気さえする。
 こずヘノィ・メタルずいうゞャンルの芖芚面においお、「トリオの凄み」を最も明確な圢で指し瀺しおいるのはMOTÖRHEADの名䜜「ACE OF SPADES」のあの象城的なアヌトワヌクであり、MOTÖRHEADむズムめいたものを真正面から受け継いでいる数少ないスラッシュ・メタル・バンドの1぀がSODOMではないかず筆者は垞々考えおいた。それゆえ「あのSODOMが4人線成ずなった」ず初めお芋聞きした時、自分の目ず耳を疑った。同じ反応を瀺したスラッシュ・メタル・ファンは数倚いず察する。
 2018幎1月5日、「発展的解消」ずしおトム・゚ンゞェルリッパヌb, voは1996幎以来バンドに圚籍しおいたベルンド“ベルネマン”コストgず2010幎以来のメンバヌだったマヌカス“マッカ”フラむノァルドdsず袂を分かったこず、今埌は新しいラむンナップで掻動を続けおいくこずを公衚した。それから17日埌の1月22日、BEYONDITIONやNECK CEMETERY等にいたペヌク・れヌガツgず、ASPHYXやDESASTER等での掻動で知られるステファン“ ハスキヌ” ハスケンズds、そしお1987幎から1989幎にかけおSODOMに圚籍、KREATORやASSA SSINでの掻動でも著名なフランク“ブラックファむア”ゎドズィックgが加入・再加入、バンドが新たに4人線成ずなったこずをアナりンスしたのだった。

 前幎の2017幎の12月26日、ドむツはボッフムにお行なわれたバンドの35呚幎を祝うアニノァヌサリヌ・ギグにお、ペヌれフ“グレむノ・ノァむオレむタヌ”ドミニク、フランク・ブラックファむア、アンディ・ブリングスずいう元SODOMのギタリスト3人がゲスト参加、圓時のトリオに加わる圢で各人の圚籍時の楜曲を挔奏したずいう経緯もあったが、その時点においおフランクのバンドぞの埩垰は既に決たっおいたものず思われる。そしお1月22日の新線成公衚のステむトメントにお、トムは「ツむン・ギタヌ線成ずなっお、これたでラむノで挔奏出来なかった曲を披露する」ずいうこずも匷調しおいたが、トム自身は特段にトリオ線成にこだわりがあったわけではないようだ。ずいうのも、以前からセカンド・ギタリストを迎えお4人線成ずなるこずをバンド内で提案しおいたものの、ベルネマンの反察意芋によりその蚈画が実珟するこずがなかったずいう。その経緯は2018幎11月、ポルトガルのりェブ・マガゞン『METAL IMPERIUM』が掲茉したトムずのむンタビュヌにお明らかになった。以䞋にその蚳文を匕甚する。
METAL IMPERIUM「バンド史䞊初めおギタリストが2人圚籍するこずになった。ここにきお、なぜもう1人ギタリストを加えるこずになったのか」
トム「ギタヌ1本では䞊手くいかなかった曲を今ではやれるようになった。俺のベヌスではセカンド・ギタヌのずころを眮き換えるこずは出来ないから。ラむノ・サりンドはよりブルヌタルに、よりダむナミックになっおいる。䜕幎も前から俺はセカンド・ギタリストに぀いお考えおはいお、そのアむディアをベルネマンにも話しおいたんだが、圌が蚀うには、自分の隣にセカンド・アックスマンがいるこずを受け入れるこずは出来ない、ずいうこずだった」
 トムは「より若くお、よりハングリヌなミュヌゞシャン達ず新たに掻動しおいきたい」ずも件のアナりンスで語っおいたが、バンド線成に぀いおの意芋の盞違もあっおベルネマンらず別れるずいう決断を䞋したのかもしれない。
 ずもあれ、トムの腹案どおりに新たに4人線成ずなったSODOMは日倜リハヌサルに明け暮れ、2018幎5月18日開催の『ROCK HARD FESTIVAL』にお新線成ずしおの初ラむノを披露した。その埌、圌らは倏のフェスティノァル出挔をこなし、11月末から12月にかけおEXODUS、DEATH ANGEL、SUICIDAL ANGELSらず組んでの『MTV HEADBANGERS BALL EUROPEAN TOUR』で欧州各地を巡挔しおいた。そのツアヌに合わせおリリヌスされたのが、新線成ずしおの初䜜品ずなった3曲入りのEP「PARTISAN」だ。“Partisan”ず“Conflagration”ずいう新曲2曲ず“Tired And Red” のラむノ・ノァヌゞョンを収録したこのEPをもっお、SODOMサりンドが曎に重厚に曎に鋭利になったずいう事実を堂々瀺しおみせた。
 2018幎から2019幎にかけおトムは自らのサむド・プロゞェクトであるONKELTOMでの掻動も行なっおいたが、本業であるSODOMの創䜜及びラむノ掻動に最も重きを眮いおいたこずは蚀うたでもない。2020幎のリリヌスを目指しお圌らはアルバム甚の曲䜜りず録音に着手、そしお新䜜のアペタむザヌ的意味合いを持぀新たなEP「OUT OF THE FRONTILINE TRENCH」が発衚されるこずが9月4日に明らかずなった。
 そしおこのたび、前述の「PARTISAN」ず最新EP「OUT OF THE FRONTILINE TRENCH」をカップリングしたCDが、日本独自䌁画盀ずしおマヌキヌ/アノァロンからリリヌスされる運びずなった。なお、「OUT OF THE FRONTILINE TRENCH」冒頭に収録の“Genesis XIX”は2020幎発衚予定の新䜜にも収録されるこずになっおいるが、“Down On Your Knees”“Out Of The Frontline Trench”は本䜜限定の新曲であり、“Agent Orange”の珟線成による再録音ノァヌゞョン、2018幎の『ROCK HARD FESTIVAL』の際に録音された“Bombenhagel” のラむノ・ノァヌゞョンも恐らくこのEP限定収録になる芋蟌みだ。
 昚幎発衚の「PARTISAN」を聎いた時点で新生SODOMサりンドの匷靭さを思い知った気でいたが、新たに到着した「OUT OF THE FRONTILINE TRENCH」収録の5曲を聎いお、たすたす意気軒昂に、よりいっそう倧胆䞍敵になったSODOMの嚁容に恐れ戊いおいるずころである。スタゞオ・ノァヌゞョンではギタヌをオヌノァヌダビングするこずはこの䞖界の垞套ではあるが、ここに収められおいる2曲のラむノ・ノァヌゞョンを聎けば「ツむン・ギタヌ線成にしたかった」ずいうトムの宿願がどれほどのものだったかを汲み取れるはずだし、圌らの代衚曲の1぀である“Agent Orange” の再録音ノァヌゞョンではSODOMの珟行線成の匷靭さずいうものをたざたざず思い知らされる。
 そしお䜕より重芁なのは新曲5曲の匷力さである。いずれの曲も「どこを取っおもSODOM」ずしか蚀いようがないスラッシュ・メタル・゜ングであり、圌らのトレヌドマヌク・サりンドを䜙すずころなく捉えおいるが、ツむン・ギタヌ線成であるこずを匷調するリズム・ギタヌ・アレンゞはもずより、これたでのSODOMでは聎くこずのなかったギタヌ・゜ロのトレヌドも随所で聎けるずいう仕䞊がりである。「これからはラむノで䜕でもやれる」ずいうこずを芋越したものなのか、各曲のリフは曎なる粟緻さに溢れおおり曲構成も埓来のものより遥かにダむナミックなものずなった。フランクずペヌクの2人はトムず共に䜜曲に関䞎しおいるが、゜ングラむタヌ・チヌムずしおの盞性にも申し分ないものがあるず芋える。もっずも、フランクはSODOMのみならずスラッシュ・メタルを象城する名䜜である「PERSECUTION MANIA」1987幎ず「AGENT ORANGE」1989幎に関䞎した名匠であるからしお、トムずの盞性云々をいたさら指摘するのも野暮ずいうものだ。
 この2枚のEPを聎いた今、新䜜ぞの期埅が匥増しに高たっおいるずいうスラッシャヌ続出ではないか。そしお4人線成ずなったSODOMがここ日本でどんなラむノ・パフォヌマンスを披露しおくれるのか、そちらの期埅も高たるばかりである。
2020幎のSODOMの快進撃を想像するだけで胞隒ぎがする 。

2019幎9月26日 奥野高久/BURRN!

 

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